ガンマー線を急照射したアカマツ花粉の交配稔性
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概要
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アカマツの成熟花粉にコバルト-60線源からのガンマー線, 0,3.9,7.8,11.7×10^3Rをそれぞれ急照射し, 東北林木育種場および放射線育種場において無照射の雌花に授粉した。花粉は, 1962年に放射線育種場の標準ほ場に定植した東山マツの数個体から採取し, 1966年5月にガンマー線照射ほ場において照射を行なった。線量率は放射線育種場での交配用花粉については, 3.9,7.8および11.7×10^3R(20時間)であり, 東北林木育種場のそれは3.9×10^3R(20時間)であった。放射線育種場での雌親は, 精英樹三次4号の自然受粉実生で6年生の苗木であった。東北林木育種場では精英樹7クローンのツギキ苗(約10年生)を雌親とした。1967年の秋に成熟球果を採取した。花粉の照射線量と結果率との間にははっきりした相関はみとめられなかった。対照区および自然受粉区の実粒率は90.1%と95.3%であった。一方, 3.9および7.8×10^3Rのガンマー線照射区では48.5%と11.1%とへそれぞれ低下した。1,000粒重は花粉照射により影響されなかった。8〜9×10^3Rの花粉照射で球果あたりの実粒数は零になるものと考えられ, 球果あたり実粒数が半減する照射線量は5×10^3Rと推定される。対照区から7.8×10^3R区において球果あたり種子数がわずかに低下し, 11.7×10^3R区では, しいな粒の発生もおさえられた。実粒の発芽率は非常に高く, 放射線育種場での照射花粉の交配, 対照区, 3.9,7.8および11.7×10^3R区の平均発芽率は97.5%, 99.2%, 93.3%および93.3%であった。東北林木育種場での交配, 対照区と3.9×10^3R区の平均発芽率は97.1%と97.5%であった。根端での染色体異常(染色体橋)の頻度は対照区, 照射区とも0〜0.9%の範囲にあり, 処理による有意な差はなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1969-04-25
著者
-
大庭 喜八郎
筑波大学農林学系
-
村井 正文
森林総合研究所
-
村井 正文
農林省林業試験場
-
大庭 喜八郎
農林省放射線育種場
-
渡辺 操
農林省東北林木育種場
-
野口 常介
農林省東北林木育種場
-
渡辺 操
農林省 東北林木育種場
-
渡辺 操
農林省林業試験場育種科
-
野口 常介
東北林木育種場
-
大庭 喜八郎
林業試験場
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