ガンマ線(^<60>Co)照射処理によるアカマツ, クロマツ花粉の発芽試験について

概要

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マツ類の花粉に対する放射線の影響を調べ, また照射に必要な線量を把握するため, アカマツおよびクロマツの花粉にガンマ線を照射して, 花粉の発芽における反応を観察した結果, 次のようなことがらが認められた。1)採集直後の花粉に15〜75Krのガンマ線を照射して人工発芽試験を行なった場合, 発芽率には照射の影響がほとんど認められなかったが, 花粉管の伸びは線量が高くなるにしたがって抑制された(図-1〜3)。2)採集後11カ月間, 5℃の冷蔵庫に乾燥状態で貯蔵した後, 150Kr照射した試料では, アカマツ, クロマツとも対照区にくらべて発芽率も花粉管の伸びも著しく低い値を示した(図-5)。3)乾燥剤入りのヂシケーターに入れて11カ月間5℃の冷蔵庫内で貯蔵した花粉にくらべて, 同じ乾燥状態で研究室内に11カ月間貯蔵したものでは, 照射線量の大小にかかわらず, 発芽率, 花粉管の伸びとも著しく低い値を示した。4)開葯前に雄花のついた切枝のまま照射した場合は, 開葯後集めた花粉に照射した場合にくらべて, 照射に対する反応が, より鋭敏に現われた(図-1,4)。5)一般に, 花粉発芽率にくらべて花粉管の伸びに, より大きな反応が示された(図-1〜5)。
一般社団法人日本森林学会の論文
1964-12-25