ガンマー線の急照射または緩照射をうけたクモトオシの花粉の交配稔性と苗の生長
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概要
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1965年, 放射線育種場でスギのクローン, クモトオシの花粉にコバルトー60からのガンマー線を急照射または緩照射し, 無照射のクマスギ雌花に交配した。着花させるため, 1964年7月に200ppmのジベレリン水溶液を苗木に散布した。急照射のため, 成熟した雄花のついた枝を切り, 花粉を採集した。20時間でそれぞれ, 1.0×10^3,2.0×10^3,3.4×10^3Rおよび5.9×10^3Rを照射した。緩照射をうけた花粉は, 1962年からガンマー線照射ほ場内で生育しているクモトオシから雄花のついた枝を切りとり, 採集した。1964年10月1日における1日(20時間)の線量率は, 1.54,5.02,7.33および10.0Rであった。植付から花粉採集までならびに花粉形成期間のそれぞれの線量率における蓄積線量は, 1.5×10^3,5×10^3,8×10^3,11×10^3Rならびに0.3×10^3,1.0×10^3,1.4×10^3,2.0×10^3Rであった。種子生産, 発芽率, 1年生と2年生苗の苗高生長に照射花粉による促進効果はみとめられなかった。急照射における種子発芽率のLD_<100>は7×10^3Rであり, 発芽率が50%に低下する線量は3〜4×10^3Rであった。緩照射のもとでスギの致死線量率は, 約10R/dayであるが, 10R/dayのもとで形成された花粉の交配でできた種子の発芽率は, 対照の約1/3に低下した。緩照射と急照射における種子の発芽率の比較により, 花粉の緩照射で急照射と同等の発芽率になる急照射線量を推定した。それは, 5.02R/dayに対して1.7×10^3R, 7.33R/dayに対して2.7×10^3Rおよび10.0R/dayに対して4.8×10^3/Rであり, 樹体への蓄積線量が発芽力を低下させる効果をしめす。
- 日本森林学会の論文
- 1969-12-25
著者
-
大庭 喜八郎
筑波大学農林学系
-
百瀬 行男
関東林木育種場
-
村井 正文
森林総合研究所
-
村井 正文
農林省林業試験場
-
大庭 喜八郎
農林省放射線育種場
-
渡辺 操
農林省東北林木育種場
-
野口 常介
農林省東北林木育種場
-
百瀬 行男
農林省関東林木育種場
-
杉村 義一
農林省関西林木育種場
-
渡辺 操
農林省 東北林木育種場
-
渡辺 操
農林省林業試験場育種科
-
野口 常介
東北林木育種場
-
大庭 喜八郎
林業試験場
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