スギのさし木クローンによる個体間競争
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概要
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4クローンのスギさし木苗を用いて, クローン別の単植および混植を行ない, さらに隣接個体が地下部で接触しないような処理を組み合わせ, 競争効果がどの要因との関係で生じるかを知るための試験地を設定した。調査形質は2年間の根元直径と高さについての生長量であり, 各要因の水準別平均値と要因相互間の水準組み合わせの平均値を求め, それらの値を比較して個体間競争効果が生じたかどうかを調べた。同時に個体間競争効果を隣接個体間の相関係数によって確認した。その結果, つぎのようなことが明らかとなった。1)個体間競争効果は遺伝子型の異なった個体間の根元直径に明りょうに生じた。2)個体間競争の強いクローンは必ずしも生長量の旺盛なクローンでなく, クローンごとの単植による生長量とクローン混植における生長量のクローン別の順位は完全に一致しなかった。3)個体間競争効果は林分蓄積に対して何の影響も与えないと推察された。4)個体間競争効果は隣接する苗木の地上部の接触によって大きく生じ, 地下部の接触による影響は小さかった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1973-01-25
著者
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