スギの幼齢期における遺伝率の年次変化
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概要
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遺伝率を推定するための試験においては, 伐期齢に対し, どの程度の樹齢のデータが得られれば, 伐期の遺伝率と大差ない推定値が得られるかをあきらかにしておくとつごうがよい。この樹齢についての情報を得るために, スギの幼齢2林分で直径と高さの遺伝率の年次推移をしらべた。林分はうっ閉にともない多くの枯損木を生じ個体間競争も大きいことがみとめられた。各年次に逐次もとめた遺伝率は減少したが, しかし, 調査最終年の残存個体のみについて各年次を追跡調査してもとめた遺伝率は, 植栽年が異なるだけで, その他の年次間には大差はなかった。遺伝率の変化のみとめられなくなった年次間で個体ごとの測定値を対応させもとめた相関係数は約0.85であった。実際の林分の幼老相関係数がこの値に達するのは, 伐期齢の半分の樹齢である。したがって, この伐期の半分以上の樹齢のデータが得られれば, 伐期時の遺伝率を大差なく推定できよう。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1975-09-25
著者
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