ジベレリン処理によるヒノキアスナロの種子生産
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概要
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ヒノキアスナロにおける着花促進の効果を明らかにするために, ジベレリンの散布時期と回数を変えた処理を行った。さらに, 結実した種子の時期別の充実率と発芽率, 球果の開裂状況と色の変化を調べ, ジベレリン処理が種子の稔性や発芽に与える影響と種子の採種適期を検討した。ジベレリン処理は無処理に比べると6月25日, 7月15日, 8月5日の各時期で着花の促進に対して効果があった。その中でもジベレリンの処理時期は8月5日が雌雄の着花数に最も有効であったが, 処理回数では効果に違いがみられなかった。このことから, ジベレリン処理は8月に数回行うことが実用的と考えられる。種子の充実率は48%, 発芽率は97%であり, ジベレリン処理により着生した花は正常な種子に発育して発芽力をもつ種子を形成することがわかった。さらに, 発芽率は種子落下の1カ月半前ですでに種子落下時と同じであった。この時期の球果は82.5%が緑褐色になっていたことから, 球果が緑色から緑褐色へ変化した段階で採種することが望ましいと考えられる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 2000-05-16
著者
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