アカエゾマツの早期枝打ちの有効性
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概要
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若齢期に強度の枝打ちを行う方法が有効であることを検証するために, 19年生のアカエゾマツ人工林において強度の異なる枝打ちを実施し, その後14年間の成長経過を調査した。枝打ち強度は無処理, 弱度, 中度, 強度の4段階を設け, それぞれ, 30%, 55%, 80%の葉量が除去されたと推定された。樹高成長は枝打ちの強度に大きな影響を受けなかったが, 胸高直径成長量は枝打ちが強度なほど低下した。ただし, この成長の減退は枝打ち後2年間の間に生じただけであり, それ以降の成長量は各処理区で変わらなかった。また, 枝打ち時に直径の上位1/3個体について直径成長を比較すると, 各処理区とも無処理区との差は大幅に小さくなり, 有意な差はなくなった。このことから, 成長の良いI等地の林分では, 樹齢20年前後の若齢の段階で500〜700本/ha程度の優勢木を主伐候補として強度の枝打ちを行えば, 成長の減退も少なく, 効率的に良質材の生産が期待されると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1998-02-16
著者
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