河川域におけるニセアカシアの水平根からの根萌芽発生様式
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概要
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ニセアカシアの根萌芽には,水平根の伸長にともない恒常的に発生するタイプと攪乱などで地上部の幹や水平根が損傷を受けたのを契機に発生するタイプがある。山形県庄内平野を流れる赤川河川敷において124本の根萌芽幹で調べた結果,伸長に伴う発生タイプは74本(59.7%)で損傷を契機に発生したタイプは50本(40.3%)であった。また,損傷を契機に発生したものはすべて潜伏芽由来で,不定芽からの発生は確認されなかった。したがって,ニセアカシアは水平根を伸長しながら新規に萌芽するのと同時に潜伏芽を蓄積し,攪乱や伐採などで損傷を受けた際には,そこからも萌芽を発生させる。潜伏芽は水平根上に高密度で分布していたが,水平根が伸長してから4年までにほとんどが萌芽しており,7年以上経過した部位からの発生は確認されなかった。したがって,潜伏芽は水平根の伸長時点から時間とともに急速に萌芽能力を失うと考えられた。このことは,若くて細い水平根の方ほど萌芽能力が高いことを意味しており,駆除作業の際には,可能な限り細い根も取り除く必要があることが示された。それでも,取り残されて再生する萌芽に対しては,潜伏芽が発生能力を失う数年間までの抜き取り作業が有効と考えられた。
- 2012-10-31
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