単一チップマルチプロセッサ・アーキテクチャSKYにおけるメモリ同期機構の評価

概要

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近年のマイクロプロセッサは、スーパースカラ・アーキテクチャにより、より多くの命令レベル並列をプログラムより引き出し高性能化を図ってきた。しかし、この方法は、スーパースカラ・プロセッサが引き出すことのできる命令レベルの並列性の限界や、ハードウェアの複雑さの増加により、限界が見え始めてきた。これを解決する1つの方法として、スレッドレベル並列を利用したマルチスレッド実行がある。マルチスレッド実行では、ロード命令を投機的に実行し、スレッド間でのメモリ同期を効率よく行う必要がある。我々はマルチスレッド実行により性能を向上させる単一チップ・マルチプロセッサSKYを提案してきた。本論文では、SKYにおけるスレッド間のメモリデータ依存を詳細に調査し、性能への影響を調査した。また、簡単な同期機構を実装し評価した結果、データ依存違反によるスレッド破棄を最大で2プロセッサ構成で72%、4プロセッサ構成で47%削減し、そのときの性能低下もそれぞれ2%ポイント、12%ポイントに抑えることができた。
一般社団法人情報処理学会の論文
2002-02-01