イネ白葉枯病菌粘液多糖質の生物学的および化学的性質
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概要
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イネ白葉枯病菌の培養ろ液からエタノール沈殿によって得られた粘液多糖質はイネ幼苗を萎ちょうさせるが, 濃度を同一にした場合には血清型の異なるクローン間にも活性の差は認められなかった。各クローンの粘液多糖質は血清型に関係なくいずれもアラビトール, マンノース, グルクロノラクトン, グルコースおよびグルクロン酸から成っているが, これらの含量比は血清型によって異なり, 野生型 (コロニー型Lw, 血清型A) の粘液多糖質では変異型 (コロニー型St, 血清型B-II) のそれよりもアラビトール, グルコースおよびグルクロノラクトンの含量比が小であった。また血清型Aの産生する粘液多糖質は血清型B-II変異株の産生するそれに比べて高分子量のものの含量が相対的に大であった。粘液多糖質の各構成糖を用いて粘液多糖質の凝集反応抑制実験を行った結果, 血清型Aの凝集反応はグルコース, マンノース, およびグルクロン酸によって著しく抑制されたが, 血清型B-IおよびB-IIの場合にはグルクロン酸とグルクロノラクトンによって反応が著しく促進された。これらの結果は血清型によって主要免疫部分の構成糖に顕著な差があることを示唆するものと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1982-01-25
著者
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