イネ白葉枯病菌の病原力と関係のある細菌学的諸性質
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概要
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イネ白葉枯病菌を継代培養して得られた集落変異株は病原力に大きな差異があり, 多くの変異株は野生型にくらべて病原力が弱まった。それらの病原力の強弱は集落型, 血清学的性質, CaCl_2溶液中における自己凝集能, OP_2ファージ感受性および粘液多糖質生産能との間に相関が認められた。一般的に血清型Aに属する集落型LwとLhは粘液多糖質生産能が高く, その病原力は強く, OP_2ファージ感受性で, 血清型B-IIに属する集落型SmとStは粘液多糖質生産能が低く, OP_2ファージに抵抗性であり, 血清型B-Iに属するLdとLhは両者の中間であった。病原性群と諸性質との間には相関がみられなかった。弱病原力または非病原性の変異株は野生型に干渉し, その病徴発現をさまたげた。イネ白葉枯病菌の継代培養中における病原力の低下は弱病原力または非病原性変異株の出現と増加, およびそれらの変異株による野生型の病徴発現に対する干渉によるものと思われる。
- 1981-12-25
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