カブモザイクウイルスの血清学的性質について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
純化カブモザイクウイルス(TuMV)を用いて作製した抗血清と各種の処理によって調製したTuMV抗原とを用いてtube precipitin test (TT), ring interface test (RT), bentonite flocculation test (BT)およびagar gel immuno diffusion test (AT)の感度を検討した。抗原として感染植物の粗汁液あるいは部分純化標品を用いた合場はTT, RT, BTの間には著しい感度の差は認められなかった。しかし, 純化ウイルスおよびその蛋白質を用いた場合はBTが他の方法に比較して極めて高い感度を示した。Intactなウイルスを用いた場合はATで反応がみられなかった。ATを用いてTuMVの血清学的性質を調べるため,超音波処理によって得られた切断ウイルスおよび化学的処理によって得られた蛋白質を抗原として用いた。純化ウイルスを超音波処理するとウイルスの感染性と粒子の長さとはともに処理時間に比例して著しく減少した。超音波で1分間以上処理したウイルスはTuMVの抗血清に対して1本の沈降線を形成し, 10分間処理したTuMVは最適の位置に明瞭な沈降線を形成した。BaCl_2, ethanolamineあるいはpyrrolidine処理によって得られたウイルスの蛋白質は抗血清と1本の明瞭な沈降線を形成し, 特にBaCl_2処理によって得られた蛋白質は収量も高く沈降線も明瞭であった。SDS処理により得られた蛋白は2本の沈降線を形成し, それらの内早く拡散した抗原による沈降線はほかの化学的処理によって得られた抗原の沈降線と融合した。超音波および化学的処理によって得られたTuMVの抗原の間には血清学的な差は認められなかった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1978-01-25
著者
関連論文
- カブモザイクウイルスの純化方法について
- イネもみ枯細菌病菌の籾での増殖
- イネもみ枯細菌病菌検出のための選択培地
- アクリジンオレンジ処理によるイネ白葉枯病菌の Xf ファージ産生能の除去
- イネもみ枯細菌病菌のプラスミド
- 繊維状ファージXfおよびXf2の複製型 DNA の制限酵素による切断
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1) の生育と菌核形成におよぼす 1, 3-dithiol誘導体の抑制作用
- いもち病菌感染および菌体壁分画処理によるイネ葉中のファイトアレキシン生成誘導
- Pseudomonas cepacia によるシンビジウム褐色斑点細菌病 (Bacterial brown spot disease of Cymbidium : 新称)
- イネ白葉枯病菌とBdellovibrioにおける宿主-寄生者関係の微細構造
- イネもみ枯細菌病菌の血清学的特異性
- バングラデシュ国に分布するウリ科作物からの4種植物ウイルスの血清学的検出
- Pseudomonas solanacearum の純水中における増殖
- Xanthomonas campestris pv. citriによる作用特異的なバクテリオシンの産生
- Xanthomonas campestris pv. citri の産生するバクテリオシン様物質の精製と若干の性質
- Xanthomonas campestris pv. citri Ku 7101 の産生する耐熱性抗菌物質の精製と若干の性質
- イネ白葉枯病菌から放出される繊維状バクテリオファージ
- Xanthomonas citri の産生する抗菌物質
- カブモザイクウイルス外被蛋白の特性
- イネ白葉枯病菌の病原力と関係のある細菌学的諸性質
- (225) Turnip mosaic virusに関する研究 : 5 TuMV分離株間の生物学的ならびに血清学的な差異 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (236) Turnip Mosaic Virusに関する研究 4 : TuMV-RNAの諸性質 (昭和54年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- カブモザイクウイルスRNAの諸性質 2. 塩基組成およびハイパークロミシティ
- カブモザイクウイルスRNAの諸性質 1. 分子量
- (173) Turnip mosaic virusに関する研究 : 3. TuMV外皮蛋白の異質性 (昭和53年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (4) カブモザイクウイルスに関する研究 : II. 超音波処理したTuMV粒子の病原性と血清反応 (昭和52年度地域部会講演要旨(九州部会))
- カブモザイクウイルスの血清学的性質について
- (246) Turnip mosaic virusに関する研究 : I. 純化及び血清反応 (昭和52年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ベトナムから収集したイネ白葉枯病菌とそのファージの若干の性質
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1)の菌核形成に及ぼすアミノ酸の影響 : II. 菌核分化過程とアミノ酸によるその抑制
- Rhizoctonia solani Kuhn (AG-1)の菌核形成に及ぼすアミノ酸の影響 : I. 各種アミノ酸の菌核形成阻害
- 非特異的エステラーゼのザイモグラムによるRhizoctonia solani Kuhnの類別
- Xanthomonas campestris pv. oryzae N 5850 の増殖, 微細構造および病原力に及ぼす繊維状ファージ Xf 感染の影響
- Xanthomonas campestris pv, oryzaeの性状に及ぼす繊維状ファージXf2感染の影響
- 非病原性イネもみ枯細菌病菌によるイネ幼苗腐敗症の発病抑制効果
- ニトロソグアニジン処理で誘発されたイネ白葉枯病菌変異株の血清学的性質
- イネ白葉枯病菌粘液多糖質の生物学的および化学的性質
- イネ白葉枯病菌の集落変異株とその血清学的性質
- イネ白葉枯病菌多糖質の抗原分析
- Xanthomonas campestris pv. oryzaeの血清学的特異性
- アジアの各国から収集したXanthomonas campestris pv. oryzaeの血清型
- イネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)のニトロソグアニジン誘発変異株における色素産生性とその他の細菌学的性質との関連性
- Erwinia chrysanthemi菌株の抗原決定基
- Xanthomonas campestris pv. citriの産生する繊維状ファージ
- イネ白葉枯病菌の繊維状ファージXf2の物理化学的性質
- イネ白葉枯病菌から放出される繊維状バクテリオファージの生物学的性質
- 成熟程度の異なるダイズ種子中におけるダイズモザイクウイルスB系統及びD系統の分布様式
- 植物体内のPolyphenol成分と植物病原菌 (III) : C^でラベルした桐葉中のPolyphenolの桐炭疽病菌による分解
- 植物体内のPolyphenol成分と植物病原菌 (II) : 桐葉中に含まれる2, 3のPolyphenol及びその桐炭疽病菌の生育に及ぼす影響
- 植物体内のポリフェノール成分と植物病原菌 (1) : 水稲体内のポリフェノールについて
- Erwinia chrysanthemiの膜蛋白のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンと原宿主の種類との関係
- Erwinia carotovora subsp. carotovoraの膜蛋白のSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分析
- 日本およびタイで分離・収集したErwinia carotovoraの血清学的性質
- 日本及びタイ産 Erwinia carotovora 分離菌株の病原性及び生理・生化学的性質の比較
- イネもみ枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)によるトマト青枯病の発病抑制とその機作
- 各種病原糸状菌に対する Xanthomonas 属細菌の拮抗現象および抗糸状菌物質の単離
- 植物病原性 Pseudomonas 属細菌による抗細菌性物質の産生
- 水平抵抗性程度を異にするイネ品種由来プロトプラストのいもち病菌菌体壁成分に対する反応
- Pseudomonas avenae Mannsによるタンパク性抗糸状菌物質の生成
- グルタールアルデヒドによるキュウリモザイクウイルスの不溶化および特異抗体の精製
- キュウリモザイクウイルスおよびその D-protein に対する抗血清の性質
- 日本において分離されたキュウリモザイクウイルスの血清学的性質
- ユリから分離されたCitrus Tatter Leaf Virus
- イネ葉面から分離した細菌株 E-14 の抗菌物質産生性
- わい化病罹病サトウキビの導管内に見られる細菌について
- わい化病罹病サトウキビの導管内に見られる細菌について