拡張されたヒープ領域管理機能をもつPASCAL処理系ELPH
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概要
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PASCALでは, ユーザは, プログラム実行時に動的変数を使用できる. それが確保されるヒープ領域には, ポインタを用いることにより, 任意のネットワーク構造が構成可能である. ところで, 実行時にヒープ領域に構築された情報を他のプログラムに伝達したり, 保存したりするためには, 順編成外部ファイルとして出力する必要がある. このための変換は一般に困難であり, PASCALプログラムのデータ構造の構築に関する優位性をいかしにくくしている. 今回設計, 作成されたELPHシステムは, 主としてこの不便さを解消するためのものであり, その特徴としては, 1)ヒープ領域中に構成された情報を自動的にファイルの形で残すことができる, 2)逆にファイルからヒープの情報を再構成することができる, 3)ヒープ領域中の情報をファイルを媒体として複数のプログラムで共有使用することができる, 4)プログラムの実行時にユーザは大量のヒープ領域を使用することができる, などがある. ELPHシステムにより, ユーザは, ヒープ領域を使用するプログラムを書くことが容易になり, また, 入出力のための本質的でない変換処理をコード化する必要がなくなったことにより, プログラムの了解性, 読解性も向上する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-05-15
著者
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