イネ葯培養によるカルス形成率のダイアレル分析
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概要
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イネの葯培養におけるカルス形成率の遺伝様式を調べるために,形成率の異なる日本型,インド型の水稲ならびに陸稲の計6品種の総当たり交雑を行い,雑種F_1の葯のカルス形成率のダイアレル分析を行った.カルス形成率は,水・陸稲とも日本型水稲品種が高く,インド型品種がかなり低かった。カルス形成率の遺伝的変異は、主として遺伝子の相加的効果によることが推測された.その平均優性度(√H1/D)はO.39であった.カルス形成率の高いほうが劣性であった.カルスをほとんど形成しない I Kong Pao は完全優性親カルス形成率の高い北陸100号は完全劣性親と推察された.その他の現品種については優性遺伝子と劣性遺伝子を併有していると考えられた.分散分析の結果,親聞及び特定組合せの優性効果に有意差が認められた.優性効果発現には,カルス形成率の低いインド型陸稲品種赤米dがとくに関与しており,この品種を除いた副ダイアレル表の分析では,親間および特定組合せ間優性効果が有意でなくなり,平均優性度も0.19と減少した.正逆交雑に差は認められず,細胞質または母体効果はカルス形成率に影響していないと考えられた.
- 日本育種学会の論文
- 1991-03-01
著者
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