近赤外分光分析法によるソバ粉の水分,油分,蛋白質含量および機能性の測定
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概要
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育種や加工の現場においては,原材料中の成分含量の簡易迅速測定が望まれる.さまざまなソバの品種・系統を用い,ソバ粉の水分・油分・蛋白質含量・機能性について,近赤外法による簡易迅速測定について検討を行った.1996年栽培のものについて,ソバだけでキャリブレーションしたものを,ソバ+ダッタンソバに適用すると,ソバに適用した場合よりも,プレディクションの推定誤差(SEP)が,若干,低下した.ソバ+ダッタンソバでキャリブレーションしたものは,ソバ・ソバ+ダッタンソバに適用しても,精度の低下はなかった(SEPは,水分:0.22,油分:0.06,蛋白:0.21).1996年栽培のソバ+ダッタンソバで算出したキャリブレーション式を1997年栽培のものの推定に用いた場合,バイアスやスキューの問題があるが,バイアス補正するとSEPは,それぞれ,水分:0.15,油分:0.10,蛋白:0.44となった.1997年だけのデータで,計算すると,SEPは,それぞれ,水分:0.11,油分:0.10,蛋白:0.30となった.1996年と1997年を統合して,再計算すると,SEPは,それぞれ,水分:0.13,油分:0.10,蛋白:0.39となった.近赤外法による機能性の推定は,総ポリフェノール含量:r=0.81(対照法による分析値と近赤外法による推定値との相関係数),DPPHラジカル消去能:r=0.71となり,おおまかな推定が可能と考えられた.このように,近赤外法は,成分分析に非常に有効な方法であり,これらを選抜指標に用いると育種効率が向上することが期待される.
- 日本作物学会の論文
- 2001-12-05
著者
-
手塚 隆久
九州沖縄農業研究センター
-
原 貴洋
九州沖縄農業研究センター
-
森下 敏和
農業生物資源研究所
-
森下 敏和
生資研放射線育種場
-
手塚 隆久
農業・食品産業技術総合研究機構
-
佐藤 哲生
九州沖縄農業研究センター
-
須田 郁夫
九州沖縄農業研究センター
-
須田 郁夫
九州沖縄農研セ
-
森下 敏和
農業生物資源研
-
森下 敏和
北海道農業研究センター
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