普通ソバ日本在来品種の草型の変異
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概要
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要旨 : 普通ソバ日本在来品種56系統を熊本県九州沖縄農業研究センター圃場で8月下旬に播種,栽培し,主茎長,分枝長,分枝数,花房数,節数などの主茎と分枝に関する14形質を調査した.主茎長,分枝数など11形質間には互いに正の相関がみられ,これらの形質は生育日数との間にも正の相関がみられた.分枝長/主茎長比が大きくなるに伴い,分枝着生角度は増加する傾向がみられた.15形質をもとに主成分分析を行った結果,累積寄与率は第2主成分までで75%であった.第1主成分は主茎長,分枝長,主茎節数などの植物体の大きさをあらわす形質との相関が高かった.第1主成分と生育日数との間には,密接な直線関係がみられ,在来品種の植物体の大きさは生育日数に対応していると考えられた.第2主成分は分枝着生角度,分枝長/主茎長比と正の相関がみられ,節間長,初花節位,主茎長と負の相関がみられたことから,第2主成分は植物体の形をあらわしていると考えられた.第2主成分得点の分布幅は第1主成分得点の増加に伴って大きくなり,在来品種の植物体の大きさに伴って草型の変異幅が大きくなった.西日本の在来品種は草型に関して多様性を持っていると考えられた.
- 日本作物学会の論文
- 2002-12-05
著者
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