牛肉の色調と脂質の酸敗に及ぼす浸漬処理とガス充填包装の影響
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概要
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小売用牛肉の色調の悪化を防ぎしかも脂質の酸敗を抑制する包装条件を見い出す目的で, 牛肉ロース部を(A)「浸漬処理(3%L-アスコルビン酸, 0.08%DL-α-トコフェロールを含む70%エタノール溶液に浸漬)した後, 20%CO_2+80%O_2ガス充填包装」, (B)「浸漬処理した後, 空気中に保存」, (C)「浸漬処理を行わず, 20%CO_2+80%O_2ガス充填包装」, (D)「浸漬処理を行わず空気中に保存(対照)」環境下に4℃で13日間保存し, ガス組成, MetMb生成量, TBA number及びpH値の変化を測定した。その結果, ガス組成は(A)と(C)包装とも若干N_2の混入が認められ, その範囲は4.8∿10.3%N_2であった。MetMb生成量は(A)と(C)両試料とも低い値が保たれた。9日目まで(C)試料が(A)試料より低い値を維持したが, 13日目には逆転し前者11.7%と後者10.7%を示した。TBA numberは浸漬処理を行った(A)と(B)試料で著しく低い値が得られた。13日後のTBA numberは(A)試料0.22に対して(C)試料1.45であった。各試料のpH値の中で(A)試料は保存期間中低い値を維持した。以上の検討から, ガス充填包装前のアスコルビン酸とα-トコフェロールを含むエタノール溶液への浸漬処理は牛肉の色調の悪化並びに脂質の酸敗の抑制に対してかなり有効であることが示唆された。
- 1985-01-31
著者
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