牛肉のメトミオグロビン生成量,酸敗及びpHに及ぼすガス充填包装の影響
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概要
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小売用牛肉のガス充填包装に最も適したガス組成を見いだす目的で, 牛肉もも部を(1) 20%CO_2+40%O_2+40%N_2,(2) 20%CO_2+80%N_2,(3) 80%CO_2+20%O_2さらに(4)真空及び(5)空気(対照)環境下に4℃で13日間保存を行い, ガス組成, MetMb生成量, TBA値及びpHの変化を測定した。その結果, 各ガス充填試料は保存13日後も食用に適したが, 対照は9日目, 真空包装試料は13日後には明確な腐敗現象を示した。ガス組成(1)と(2)は保存期間中各ガス組成の変化は±2%以内に保持された。しかし, ガス組成(3)には6.6%N_2の混入が認められた。MetMb生成量はガス組成(1)試料は保存期間中低く13日後においても約20%であった。ガス組成(2)は保存9日目までMetMbは直線的に増加し約75%となったが, 13日後には40%以下へと減少した。ガス組成(3)試料は3日目までほとんどMetMbは生成せず, その後増加し13日後には約60%に達した。TBA値は対照及びO_2を含む試料(1)と(3)で比較的高く, 真空及びガス組成(2)試料において低い値が得られた。pHはすべての試料とも保存3日目には低下し, その後対照と真空包装試料は上昇したが, ガス組成(1)の13日後を除いて各ガス組成下の試料は保存期間中低いpHを維持した。以上の結果から, 牛肉のガス充填包装に関して6日以内の保存には真空包装で十分であり, 13日間以上の保存の場合は20%CO_2+80%N_2が有効であることが示唆された。
- 神戸大学の論文
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