カンパチ仔魚期の体成分および消化酵素活性

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カンパチ孵化仔魚の平均体長(BL)は3.19mmであり, 孵化後4日・3.48mm BLに達すると前期仔魚期から後期仔魚期のpre-flexion期に移行した。外部栄養への転換は孵化後5日・3.54mm BLで完了し, 仔魚は孵化後15〜21日・5.45〜7.44mm BLのflexion期を経て, 孵化後22日・8.10mm BLにはpost-flexion期に, そして孵化後28〜30日・13.83〜16.16mm BLには稚魚への移行期に達した。水分含量は卵黄仔魚期で増加し, その後flexion期に達するまで著減した後は緩やかに低下したが, 粗タンパク質および粗灰分含量とRNA/DNA比はpost-flexion期まで著増しプラトウに達した。また, トリグリセリド含量は内部栄養期で激減し, その後はリン脂質と同様に僅かに増加して, post-flexion期に達すると再び減少した。一方, DNAおよびRNA含量はそれぞれ外部栄養への転換期およびflexion期でピークに達し, タンパク質/DNAは稚魚への移行期まで増加し続けた。さらに, 体長に対する各量的形質の相対成長が急変したflexion期でトリプシン様酵素活性は激減し, 逆にペプシン様酵素活性が増加し始めた。以上の結果から, カンパチ仔魚の発育は内部栄養期では細胞数の増加, またその後はflexion期にかけてタンパク質の合成・蓄積の高進に基づく細胞容積の肥大によって進行するが, post-flexion期に入ると組織・器官の分化を活発化するためにタンパク質合成能を高く維持することが示唆された。
近畿大学の論文
2000-03-25

カンパチ仔魚期の体成分および消化酵素活性

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