宮古島の神行事と海浜環境の保全に関する研究

概要

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沖縄の海浜環境は, 自然的存在としての意味だけではなく, 人間の生活文化とのかかわりが深いところでもある。海浜は食料の供給地であり, 遊びの空間であり, また村落祭祀の重要な場でもある。とくに地域によっては, 自然の海岸域は, 神と人間とが交流する聖なる空間として, 大事に保全されてきた。自然の砂浜や珊瑚礁の岩, 海岸植生などに神が宿り, それを破壊した者には, 神の崇りが降りかかる。このような聖なる空間としての海浜の風景は, 海浜環境と島社会の伝統文化との歴史的交流の中で形作られてきたもので, その価値を環境資源や文化資源として, あらためてとらえ直すこともできよう。この海浜の価値資源が, 今日, 安易な護岸工事などで消失しつつある。海浜は陸と海との境界域で, そこは砂浜や珊瑚礁, 海岸植生などがまとまって, 多様な連続空間を形成している。長い自然史のゆらぎの中で形づくられ, 生態系の安定したこの生命領域を, コンクリートなどで安易に断絶してはいけない。海浜環境の原風景には, 価値資源として計り知れないものがある。そこにある自然や海浜文化の個性を蘇らせ, 島社会の健康と活力を取り戻すこと, そのためには海浜環境をどのように保全し活用していくべきか, このことが今, 問われている。[figure]
琉球大学の論文
1998-12-01

宮古島の神行事と海浜環境の保全に関する研究

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