海岸付近の空中塩素量に関する研究 (II) : 防風ネットおよび現存防潮林の減風減塩作用(林学科)
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概要
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1)本研究は, 防風ネットを2枚はった場合と3枚はった場合および現存防潮林の減風減塩効果について測定したものである。1972年7月から1973年6月間においてつぎの場所を選んで測定を実施した。i)防風ネットの減風減塩効果については津波古埋立地 : 佐敷村津波古海岸伊舎堂埋立地 : 中城村伊舎堂海岸ii)現存防潮林の減風減塩効果については北中城村渡口海岸沿いの防潮林2)防風ネットを3枚および2枚はった場合の減風作用は, ネット3枚はったときはネット直後の減風量は大きいが, 風速の回復が早く, ネット後方の減風域が狭い。これに対して減塩作用は, ネット3枚のときはネット2枚はったときに比較してネット直後の減塩量も大きく, ネット後方の減塩域も広い。3)なお, 防風ネットの減風減塩効果は, ネット前方においても認められ, ネット後方では88m(ネット高の22倍)付近まで認められた。4)現存防潮林による減風減塩効果は, 防潮林前方でも認められたが, 防潮林内が最も減風減塩量が大きい。なお防潮林から離れるにつれてその効果は減少し, 防潮林後方100mにおいても減風減塩効果は認められた。なお最後に本測定をおこなうにあたり, 理工研式小型ロビンソン風速計を心良く借用させていただいた琉球大学農学部, 城間理夫教授および本稿をご校閲下さった同, 吉田茂助教授ならびに測定に終始ご協力, 助言をいただいた前九州大学農学部, 大神又三講師, 琉球大学農学部, 佐藤一紘教官に深謝の意を表する。また, 測定に協力していただいた儀保徳明, 金城政吉, 宮野敬介, 川上和宏, 宮良長欣, 金城秀昌, 下地盛雄の卒業生諸氏にも謝意を表する。
- 琉球大学の論文
- 1975-12-01
著者
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