The Secrets of Forestry: An English Translation of the Sanrin Shinpi (山林真秘) of Sai on
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概要
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Four key points are made within the Sanrin Shinpi (Secrets of Forestry). The first is that the best places for afforestation should be judged according to geomorphic analysis. Mountain terrain is divided into three main categories: gentle slopes, steep slop.es and valleys. Gentle slopes offer the best possible conditions for tree planting, followed by steep slopes and then valleys. While agricultural land is select.ed according soil quality, mountain terrain and configuration are far more important factors for afforestation. The main reason for this is thought to be the way that mountains serve to mitigate the damaging impact of typhoons and winter winds on the forest. The second important point deals with the geomorphic concept of 'embraced protection'. 'Embraced protection' is a condition by which the surrounding gentle and steep-sloped mountains serve to provide protection for a forest within the enclosed area. This is rooted in the ancient Chinese system of Feng Shui and the idea of a place where there is harmony between positive and negative qi (energy). This is the optimum spot for afforestation. Within these protecting mountains is a location called the 'gate of embraced protection'. This is the place where the water from each of the valley rivers flows out of the mountain range. This spot is of such critical importance to the forest that trees must be planted and maintained here to prevent vital mountain qi from leaking out. The third important point concerns the management of timber. Selective cutting is employed in accordance with traditional forest ecology systems, thereby allowing the unhindered growth of good trees. The fourth important point deals with the appearance of a forest. By studying the condition of trees from afar, it can be determined whether the forest is youthful, overmature or in decline.山林真秘の中で論じられている主要な点は4つある。第1点は地形解析による造林適地の判断である。山の地形を嶺地、峰地、澗地の三つに分け、そのうち嶺地が造林するのに最も良い地形であるとし、以下、峰地、澗地の順に序列化を行っている。田んぼは土地の性質を選ぶが、山林は山形の状態が樹木の生長に大きく影響するとしている。その主な理由は冬の北風と台風時の風をいかにコントロールするかに拠っていると考えられる。第2点は抱護の地形概念の重要性についてである。抱護とは嶺地や峰地の周囲を山々が囲って保護している状態のことである。この考えは風水の気の概念に由来するが、その気が安定した場所こそ、造林適地となる。山には「抱護の門」がある。これは山脈が交叉した各谷川の流出口のことである。この場所は山林の気脈にかかる所であるので、樹木で閉じて山の気が洩れ出ないようにせよという。第3点は山林の取り扱い方である。山林の法則とは、森林を勝手気ままに切るのではなく、真っ直ぐな幼樹は育て、曲がった木は大木でも伐採し、山林を繁茂させるようにすることである。これは現在の択伐(selective cutting)的施業方法の考えと同じである。第4点は林相の見方である。遠方から植生状態を見て、幼令林、過熟林、荒廃林かどうかを判断する。人間の伐採で植生遷移は変化するが、その状況を林相の違いで分類するやり方である。山林真秘と杣山法式帳には、風水思想にもとづく自然認識の考えが共通項として見出せる。抱護、山気、抱護之門(抱護之閉所)、陰陽和生之地などの言葉は、風水的に山林をみる場合に重要なキーワードである。山林真秘にはすでに魚鱗という言葉がみられ、この魚鱗は樹木播植方法で魚鱗形の植林法として応用されている。この山林真秘には、沖縄の自然環境の中で、山林をどう取り扱ったらいいのか、学び生かすべき点が多い。
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