ホルモン投与による乳腺の誘起発達に関する生化学的研究 (II) : 乳腺の発達ならびに退行期における核酸分解酵素の変動

概要

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Wistar系ラットを用い, 乳腺の誘起発達ならびに退行期における, adenine異化代謝に関与している酵素, すなわちribonuclease, 5′-nucleotdase, adenosine deaminase, adenase, xanthine oxidaseおよびuricaseの活性の消長を調べた。1. 乳腺の発達, 退行の全期間を通じ5′-nuclotidaseは最も活性が強く, adenosine deaminaseがこれに次いでいたが, xanthine oxidaseおよびadenaseの活性は著しく弱く, uricaseの活性は認められなかった。2. 各酵素の活性は乳腺の発達にともない増大するが, 退行期における活性の消長はかならずしも同一ではなく, 5′-nucleotidase, xanthine oxidaseおよびadenaseは退行の初期には活性の低下が起らず, 退行4日目ころから始めて低下が認められた。これに対し, ribonucleaseおよびadenosine deaminaseは退行開始後ただちに活性の低下が起った。
神戸大学の論文