絶食による鶏の脂肪組織の蓄積,特にその化学成分, 脂質成分およびリパーゼ活性に対する影響
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概要
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絶食による鶏の体脂肪減少の機構を調べる目的で,絶食処理鶏の腹腔内脂肪組織を用いて,その化学成分,脂質成分,リパーゼ(リポプロテインリパーゼとホルモン感受性リパーゼ)活性および肝臓トリグリセリド合成能の変化を検討した.3週齢の白色レグホーン雄雛を用い,2日間の絶食を行なった.絶食により,腹腔内脂肪組織量は有意に減少した.化学成分において,総DNA量に変化はなかったが,DNA単位重量当りの乾物量に有意な減少が見られた.さらに乾物成分のうち,乾物の約90%を占める脂質の減少が顕著で,対照区の41%の値を示した.また,脂質成分では,脂質の大部分を占めるトリグリセリドに顕著な減少が認められ,対照区の41%の値を示した.従って,絶食による腹腔内脂肪組織量の減少は,主としてトリグリセリド量の減少に基づいた,細胞容量の減少によるものであることが示唆された.リポプロテインリパーゼおよびホルモン感受性リパーゼは,対照区に対して,おのおの18%および21%の活性値を示したが,(リポプロテインリパーゼ)/(ホルモン感受性リパーゼ)活性比に変化は認められなかった.また,血漿トリグリセリド濃度は,絶食により61%の減少を示した.さらに,絶食により,肝臓トリグリセリド合成能は90%以上減少したが,肝臓脂肪酸酸化分解能は約5倍に増加した.以上の結果に基づき,絶食による,腹腔内脂肪組織における,トリグリセリドの減少機構について考察した.
著者
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