少量の極域雪氷試料のイオンクロマトグラフィーによる化学分析
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概要
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イオンクロマトグラフィーは, 無機イオンをはじめ有機酸イオンなど多種類の溶存成分を短時間で分析するための方法として用いられる。ここでは, 南北両極域で得られる雪氷試料を分析の対象とした。極域雪氷試料の化学成分は, 通常数百μg/l以下の濃度である。極域は降水量が少なく, 時間分解能の高い分析結果を得ようとすれば, 試料は自ずと微量になる。また, 採取した試料の輸送も困難を伴う場合が多い。したがって, 分析に必要な試料量は少ないほうが有利である。本報告では, 上記の特色を有する極域雪氷試料のイオンクロマトグラフィーによる分析法を検討した。その結果, 1.5mlというごく少量の試料で陰イオン, 陽イオンとも測定ができるようになった。また測定イオン種は, 同一試料について7種類の主成分イオン(Cl^-, NO_3^-, SO_4^<2->, Na^+, K^+, Mg^<2+>, Ca^<2+>)の他に8種類の成分(CH_3 COO^-, HCOO^-, C_2O_4^<2->, CH_3SO_3^-, F^-, PO_4^<3->, NO_2^-, NH_4^+)を同時に分析することが可能となった。
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