氷床深層掘削ドリルの開発 (II)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
南極深層コア掘削計画における深層掘削が1995年から1996年の2年間で行われる。この計画に使用する掘削装置の開発を1988年から行ってきた。掘削が行われるドームふじ観測拠点は, 平均温度-58.6℃, 標高3800mという掘削作業の環境として今までに無い厳しい場所であり, 昭和基地からは1000km離れている。そのため, 低温下での限られた人数での掘削作業, 物資輸送の面からも軽量で, 省力型の掘削システムの開発が要求された。掘削機として5つのタイプを考案し, これらについて実験を繰り返した。その中から2つのタイプを選び, 南極やグリーンランドにおけるフィールドテスト, そして掘削機各部の実験室内の実験から最良の機種を決定した。さらに, この実験用ドリルの完成度を高めるため, グリーンランド氷床や北海道陸別における15m氷柱を用いての掘削テストを繰り返し行った。本報告は, 低温・高圧切削, コアキャッチャー, 切削刃, バレル等の各部所に新しく考案した機構を盛り込んだ掘削機の完成までの過程を, 中間報告(藤井ら, 南極資料, 34,286,1990)に引き続き記したものである。
- 国立極地研究所の論文
著者
-
本山 秀明
国立極地研究所
-
藤井 理行
国立極地研究所
-
成田 英器
北海道大学低温科学研究所
-
田中 洋一
埼玉県立がんセンター消化器外科
-
渡辺 興亜
国立極地研
-
高橋 昭好
(株)地球工学研究所
-
田中 洋一
(株)ジオシステムズ
-
新堀 邦夫
北海道大学低温科学研究所
-
東 信彦
長岡技術科学大学
-
宮原 盛厚
(株)地球工学研究所
-
中山 芳樹
(株)地球工学研究所
-
本山 秀明
極地研
-
渡辺 興亜
極地研
-
新堀 邦夫
Institute Of Low Temperature Science Hokkaido University
-
成田 英器
Research Institute for Humanity and Nature
-
本山 秀明
National Institute of Polar Research
-
中山 芳樹
(株)日本パブリックエンジニアリング
-
渡辺 興亜
極地研究所
-
田中 洋一
神戸大学総合人間科学研究科人間形成科学専攻
-
田中 洋一
ジオシステムズ
関連論文
- 南極ドームふじにおける1995年から2006年の表面質量収支の特徴
- 極域氷床深層コアの化学成分分析用試料の汚染除去前処理方法の検討
- 南極ドームふじ基地の天文観測サイト利用に関する予備調査 -夏季接地乱流層の検出及び輸送中の振動記録-
- A111 南極域におけるブロッキング後の総観規模場の変化とドームふじ基地の雲・降水(スペシャル・セッション「国際極年(IPY)2007-2008の成果と将来展望」I)
- 第25次南極地域観測隊内陸調査および旅行報告
- Constituent elements of insoluble and non-volatile particles during the Last Glacial Maximum exhibited in the Dome Fuji (Antarctica) ice core
- Analyses of Ice Core Data from Various Sites in Svalbard Glaciers from 1987 to 1999
- Laboratory experiments and thermal calculations for the development of a next-generation glacier-ice exploration system: Development of an electro-thermal drilling device
- Intra-annual variations in atmospheric dust and tritium in the North Pacific region detected from an ice core from Mount Wrangell, Alaska
- 科学通信 科学ニュース:氷床コアの精密年代測定からミランコビッチ理論の検証へ--氷期-間氷期サイクルは北半球日射量に支配される
- P112 アラスカ・ランゲル山へ輸送された成層圏起源トリチウムの対流圏移流時期及び交換場所の特定
- 南極氷床コアから探る過去の地球環境
- 極域アイスコアに記録された地球環境変動
- P350 アラスカ・ランゲル山へ輸送される空気塊の起源と雪氷コアデータの比較
- D458 雪氷コア中のダスト濃度に基づく降雪量の季節配分の復元 : アラスカ・ラングル山の事例(降雪・気候,雪氷圏と気候,専門分科会)
- ネパールヒマラヤ, クンブ地域での過去30年間の山岳永久凍土の縮小
- ロシア・アルタイ山脈ソフィスキー氷河におけるアルカン類の濃度、沈着量、発生源変動
- 南極の氷に記録された過去32万年の気候と環境の変化
- Periodicities of palaeo-climatic records extracted from the Dome Fuji deep core
- P134 アラスカ・ラングル山の雪面と大気のダスト変動及びそれに基づく雪氷コアのダスト解析
- C101 グリーンランド内陸氷床での大気、降雪サンプリング(物質循環I)
- P281 グリーンランドNGRIPおよび南極ドームふじ深層氷床コア分析による過去11万年にわたるメタン濃度の変動とその要因の推定
- D201 南極ドームF氷床コアから推定した過去32万年間の大気エアロゾルの光学的厚さ(物質循環I)
- 南極氷床コアから過去の気候・環境変動を解読する
- 極地の雪中微量元素
- 雪氷圏は縮小している (特集 地球温暖化をよむ--IPCC第4次報告書から)
- Antarctica and Global Change : Interactions and Impacts国際シンポジウム報告
- 50年を迎えた南極観測 (特集 南極--南極観測における測量50年の歩み)
- 24pQC-3 南極氷床コアに記録された宇宙線生成核種^36Clの解析(シンポジウム 宇宙線と地球環境・生命科学放射線・量子ビーム科学のフロンティア,領域1,原子・分子,量子エレクトロニクス,放射線物理)
- 第二期Dome Fuji氷床コアプロジェクトに用いる光学層位記録装置の開発
- 寄稿 白い大陸「南極」の全容 (特集 極地)
- ローガン山のキング・コルにおける2002年の氷コア掘削
- 改良型氷床深層掘削ドリルの総合実験報告-2002年北海道陸別町での実験-
- Improvements to the JARE deep ice core drill
- Deep ice core drilling to 2503m depth at Dome Fuji, Antarctica
- 南極ドームふじ観測拠点における氷床深層コア掘削
- 南極における日本の無人気象観測 (1992 〜 1997)
- D468 南極の水循環(氷床域,雪氷圏と気候,専門分科会)
- D355 南極およびグリーンランド氷床で採取されたフィルン空気の酸素濃度とそれにより推定された地球規模の二酸化炭素収支(物質循環III)
- Linking Antarctic glaciochemical records to past climate conditions (scientific paper)
- A bipolar comparison of deep ice cores from Antarctica(Dome Fuji)and Greenland(GRIP) (scientific paper)
- GPS相対測位による最近の東南極氷床の白瀬流域及びドームふじ周辺の氷床流動観測
- 沿岸からドームふじへ至るルート沿いの光沢雪面の分布特性
- 1.3.7.南極多点浅層コア解析 : 目的および最近の成果(継続)(1.3.データベース研究部門)([1]研究活動)
- A156 南極ドームふじ基地における雲・降水の観測と数値モデリング(グローバルな雲・降水システムの研究の現状と将来,専門分科会)
- S25コアのECMプロファイルと化学成分との関係
- 氷床深層掘削ドリルの開発 (III)
- 氷床深層掘削ドリルの開発 (II)
- 氷床深層ドリルの開発
- みずほ高原の大気,表面積雪中の化学成分の挙動
- B311 南極氷床への大気輸送起源の空間分布(中高緯度大気,口頭発表)
- 氷床 : 気候系の変動機構研究の提言
- 南極における無人気象観測(1993-1996)
- セールロンダーネ山地周辺の雪氷学的調査
- 融雪流出過程 I
- 積雪地帯において冬期の河川流量に地面融雪量が果たす役割〔英文〕
- 1981-1984年融雪期の放射量と気象観測資料 (観測地 幌加内町母子里)
- B364 南極・昭和基地およびドームふじ基地における降雪時の大気輸送(気候システムIV)
- クロム還元法による水素同位体比の測定法と極域雪氷試料への適用
- 極域におけるモニタリングと氷床変動 (地球温暖化--世界の動向から対策技術まで) -- (第3編 測定技術とモニタリング)
- 南極ドームふじ深層コアに記録された氷期サイクルにおける気候および陸海域環境変動
- 南極S25コア中のマグネシウムの移動について
- 南極東クィーンモードランド地域における無人気象観測(1993-1999) : 観測手法および結果
- 南極浅層コア (H72, ドーム南) の基本解析 - 測定方法および装置 -
- 霜結晶による積雪表層の安定同位体分別過程
- 積雪の蒸発量 : 札幌と母子里での測定結果
- 1983-84年積雪期の札幌における放射量測定
- 1982-83年積雪期の札幌における放射量測定
- 気温等単純な気象要素による融雪予測について
- GPS相対測位による東南極の沿岸からドームふじ間の氷河流動の観測(序報)(英文)
- 北海道母子里の平地積雪断面測定資料報告(1979年12月〜1989年1月)
- 1987年積雪期の札幌における放射量測定
- 1986年積雪期の札幌における放射量測定
- 1985年積雪期の札幌における放射量測定
- 熱収支法,及び単純な気象要素による表面融雪量の予測について
- 積雪深変化の推定法 (乾雪の場合) : 積雪層ノ粘性圧縮を考えて
- 積雪中の融雪水浸透量ピークの時間遅れ
- 積雪表面近傍の気温変動について
- 融雪期における小流域の水収支 II : 流出解析
- 融雪期における小流域の水収支 I : 短期水収支と長期水収支
- 南極ドームふじ基地における氷床コア掘削
- 東南極沿岸部雪氷コア中の非海塩起源硫酸イオンおよび硝酸イオン濃度の変動特性
- 東南極ドームふじにおける浅層コア掘削と掘削孔ケーシング(英文)
- 1.3.6南極多点浅層コア解析 : 目的および最近の成果(1.3データベース研究部門)([1]研究活動)
- ドームふじ観測計画(1991-2007)における雪氷・気象観測の概要
- Studies of Basin Heat Balance and Snowmelt Runoff Models
- セールロンダーネ山地地域雪氷調査隊報告1989-1990 (JARE-31)
- 1997年-98年冬、春期の北西グリーンランド・シオラパルクでの気象観測と降雪中の化学成分
- 南極大陸ドームふじの昇温現象とその空間分布 : 1994年のAWS及び衛星マイクロ波観測から
- 氷床コアに記録された気候•環境変動
- 南極多点浅層コア解析 : 目的および最近の成果
- 1999年度極地雪氷分科会総会報告
- CliC 1^ Scientific Conference 報告
- 南極における日本の無人気象観測 (1992 〜 1997)
- 平田賞を受賞して
- 南極雪中の微量元素
- ICP質量分析計による南極雪中の微量元素分析
- P408 南極氷床への対流圏大気の輸送メカニズム(ポスター・セッション)
- B305 南極氷床への対流圏大気輸送とSAM(AAO)の関係(中高緯度大気,一般口頭発表)
- JARE54南極内陸旅行