温州ミカンの着色促進に関する研究 (第1報) : エチレン処理の方法と葉緑素分解との関係

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1. ガラスびんに2〜3分着色の温州ミカンを入れ, ゴム栓をして, エチレンを注入し, そのまま放置しても果色に変化なかつたが, 翌日びんのふたをとり, 空気中に放置すると葉緑素が急速に分解し, 着色が進んだ。2. エチレンを注入して, 6時間ごとに開封し処理後4日目に調査した結果, 12〜18時間後に開封したのが, 葉緑素の分解がもつとも多かつた。この結果, 密封できる容器に果実を入れ, 炭酸ガス濃度が高まつてもそのまま12〜18時間密封を続けた後開封すると, エチレン処理の効果が顕著なことが明らかになつた。3. ガラスびんの容積に対して, 500〜1,000ppm になるようエチレンを注入するのが適当なエチレンの濃度であつた。4. 30°Cまでは温度が高いほど葉緑素の分解は進んだが, 35°Cではかえつて劣り, 果皮に障害を生じた。30°Cでもヘタ片が褐色になるものがあつたので, 25°C程度の温度がもつともすぐれていた。また, 果実をエチレンと共に密封するときの温度よりも, 開封後の温度が葉緑素の分解に重要であつた。5. エチレン処理中における果実内部のエチレン濃度を測定したところ, エチレンは非常に早く果実内部にとりこまれ, 150 分後にはほとんど果皮の内外で同一濃度に達した。また, 開封後における果実内部のエチレン濃度を測定したところ, 果実内にとりこまれたエチレンのほとんどが急速に排出されるように思われた。

温州ミカンの着色促進に関する研究 (第1報) : エチレン処理の方法と葉緑素分解との関係

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