温州ミカンの着色促進に関する研究 (第3報) : 果実の状態と15時間密封法によるエチレン処理との関係
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概要
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1. 葉緑素の分解は果実とエチレンを共に密封している15時間にはほとんど行なわれないが, 開封後果実を新鮮な空気にさらすと急速に始まり, 開封当日が最大でしだいに小さくなり, 開封後3〜4日は明らかであるが, 以後はきわめてゆるやかになつた.2. エチレン処理によって葉緑素含量のより多い果皮ではより多くの葉緑素が分解, 消失した. この現象は熟度の異なる果実を比較した場合にも, 同一果実の緑色の異なる部分を比較した場合においても認められた.3. エチレン処理は果皮のカロチノイド含量には影響しなかつた.4. エチレン処理による葉緑素の分解効果は品種, 系統間で差がなかつた. しかし, 晩生のものは果皮にカロチノイド含量が多いために着色促進の効果が顕著であつた.5. エチレン処理を収穫当日〜5日後の果実に行なつても効果に差はなかつた.6. 1回処理で完全に葉緑素が分解, 消失しない果実に対するエチレンの再処理はかなりの程度に効果があつた.
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