カキ果実の乾燥に関する研究 (第3報) : 乾燥脱渋における温度の影響
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概要
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渋ガキの平核無と横野を用い, 乾燥脱渋に及ぼす温度の影響について1976年次と1977年次の2カ年間調べた.1. 乾燥脱渋は5°C〜50°Cまではいずれの温度区においても可能であり, 温度が高くなるほど脱渋の完了が早まった. 0°Cでは実験の都度脱渋が異なり, 乾燥40日後において可食に近いものから, 約2分の1脱渋までまちまちであった.2. ペクチンについては測定した5°C〜40°C区ではいずれも塩酸可溶性ペクチンの減少と水可溶性ペクチンの増大が認められたが, それらの変動は乾燥温度が高いほど顕著に現れた.3. O2吸収, CO2排出量はいずれも温度が高くなるほど増大した. 剥皮果では15°C以上であたかも climacteric 様パターンが認められたが, 無剥皮果ではそのような現象はみられなかった.4. 果肉内のアルコールとアセトアルデヒドの生成量はほぼ乾燥温度に対応して増大した.5. 上記の事実から5°C〜50°Cまでの乾燥脱渋は, 糖の嫌気的分解が促されることにより生成したアセトアルデヒドによるものと考えられる.
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