カキ果実の乾燥に関する研究 : (第1報)乾燥脱渋の機構に関する2, 3の考察
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概要
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乾燥脱渋の機構を解明するため, 渋ガキ「横野」を自然乾燥させ, 脱渋に関連ある2, 3の要因について調べた.1. O2の吸収量およびCO2の排出量は, 乾燥3日目頃から脱渋がほぼ完了する9日目頃までの間で両者とも著しく低下した. 一方, 脱渋がおこらなかった無剥皮の乾燥果実では, 乾燥19日目頃まであまり変化が認められなかった.2. アルコール (メタノール, エタノール混合物) はカキが乾燥するにつれて増加した. しかし, 新鮮果実に換算すると乾燥の全期間を通してほぼ一定の値であった.3. アセトアルデヒドは, 乾燥当初はきわめて少なかったが, 乾燥がすすむにつれて新たに生成し, 果実内の蓄積量は著しく増加した.4. 以上から, 乾燥脱渋は, 剥皮した果実の表面に2次的に形成された緻密な乾燥皮膜により果実自体のガス交換が極度に阻害され, 生じたアセトアルデヒドによるタンニンの不溶性化が主原因と考えられた.
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