脳梁の梗塞性病変による症候性吃音
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概要
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脳梁の梗塞性病変により症候性吃音をきたした症例を報告した.<BR>(1) 症例は56歳, 男性, 会社員, 左利きを矯正した両手利きであり, 吃音の既往はなかった.脳梗塞により, 左不全運動麻痺およびspeech dysfluencyが出現した. (2) dysfluencyの内容は, 語頭の音・音節の繰り返しが主であった.適応効果, 一貫性, 随伴症状はいずれも認められなかった. (3) speech dysfluencyは, 発症後5カ月でほとんど目だたなくなった. (4) X線CTおよびMRIから, 本症例の主病変は脳梁であることが明らかであった. (5) 本症例のspeech dysfluencyを早口症 (cluttering) , 同語反復症 (palilalia) などとの鑑別により症候性吃音と診断した.あわせて, speech dysfluencyの鑑別診断の着目点について検討を加えた. (6) 他の言語障害を伴わず単独に生じた症候性吃音 (acquired stuttering) の文献例をまとめ, その症状, 病変部位などについて検討した.
著者
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遠藤 教子
東京都板橋ナーシングホーム
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福迫 陽子
東京大学医学部音声言語医学研究施設
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河村 満
千葉大学医学部神経内科
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廣瀬 肇
東京大学医学部音声言語医学研究施設
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福迫 陽子
東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
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正木 信夫
東京都老人総合研究所言語聴覚研究室
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正木 信夫
東京都老人総合研究所
-
塩田 純一
汐田病院神経内科
-
廣瀬 肇
東京大学医学部付属音声言語医学研究施設
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