モーラ指折り法による麻痺性構音障害 (仮性球麻痺タイプ) 患者の言語訓練

概要

モーラ指折り法による構音訓練とは, 健側手の指を折りながらこれに合わせてことばをモーラごとに区切って発話することを系統的に獲得させる方法である.この方法を脳血管障害後の麻痺性構音障害患者5例 (仮性球麻痺タイプ, 中等度〜重度, 平均年齢65.4歳) に実施し, 訓練後の成績および訓練終了後6〜36ヵ月経過後の状態を聴覚印象法を用いて評価したところ, 以下の結果を得た.<BR>(1) 訓練後, 全例で重症度 (異常度+明瞭度の和) に改善が認められた.0.5以上の評価点の低下 (改善) が認められた項目は, 「明瞭度」, 「母音の誤り」「子音の誤り」「鼻漏れによる子音の歪み」「開鼻声」「異常度」など8項目であったが, 一方「音・音節がバラバラにきこえる」「発話の程度一遅い」の2項目では悪化も認められた.<BR>(2) 経過観察時には, 5例中3例の重症度は不変であったが, 2例 (いずれも36ヵ月経過例) では悪化が認められた.

著者

遠藤 教子 東京都板橋ナーシングホーム
物井 寿子 東京都老人医療センター言語聴覚科
福迫 陽子 東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室

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