失語症患者の社会的予後 : 東京都老人医療センターで言語訓練を受けた303例について
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概要
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失語症患者の社会的予後を明らかにすることを目的に, 昭和47〜56年までの10年間に東京都老人医療センター (当時, 養育院附属病院) 言語聴覚科において2ヵ月以上言語訓練を実施して2回以上失語症鑑別診断検査(老研版)を実施した失語症患者303例 (平均年齢59. 9歳) を検討し, 以下の知見を得た. 1) 失語症発症時職業に従事していたものの職業復帰率は28. 1%(原職15. 7%, 配置転換・転職12.4%) であった. 2) 失語症患者全体としては, 自宅や老人ホームに戻るものが71. 8%と最も多かった. 3) 職業復帰率は, 種々の要因により異なった. すなわち, 年齢は若いほど, 重症度は訓練開始時, 終了時とも軽症なほど, 訓練開始時期は早いほど, 良好であった. 失語症のタイプでは, 非流暢な構音を伴う失語 (ブローカ失語-軽), 伝導失語, ついで単純失語 (健忘失語) において良好であった. また, 原職復帰者のプラトー到達時間はより短かった.
- 社団法人日本リハビリテーション医学会の論文
- 1986-07-18
著者
-
鈴木 勉
都立大塚病院リハ科
-
遠藤 教子
東京都板橋ナーシングホーム
-
物井 寿子
東京都老人医療センター言語聴覚科
-
福迫 陽子
東京都老人医療センター
-
鈴木 勉
東京都老人医療センター
-
福迫 富子
東京大医学部
-
遠藤 教子
東京都老人医療センター
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