コバルト(II)-カルシクロム錯体生成を利用するコバルトの新吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第9報)
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概要
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コバルト(II)がカルシクロムと錯体を生成することを見いだし,この錯体生成を利用して微量のコバルトを吸光光度法により定量するための基礎的な条件を検討し,コバルトの新しい定量方法を提案した.<BR>コバルト(II)はカルシクロムとアルカリ性で2種の錯体を生成する.すなわち,pH約10以下では550mμに極大吸収を有する1:1錯体を,pH約11以上では520mμに極大吸収を有する1:2錯体を生成し,これらの錯体生成を利用してコバルトを定量する場合,コバルト(II)濃度と吸光度との間には直線性が認められ,pH9.9,波長580mμおよびpH12.0,波長595mμで測定したときのモル吸光係数はそれぞれ約15000および32000,また感度はそれぞれ3.9×10<SUP>-3</SUP>,1.8×10<SUP>-3</SUP>μgCo/cm<SUP>2</SUP>{log(<I>I</I><SUB>0</SUB>/<I>I</I>)=0.001}であった.カルシウム,マグネシウム,ニッケル(II),銅(II),マンガン(II),鉄(III),アルミニウム,チタン(IV),バナジウム(V)などはコバルトの定量を妨害する.
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