<I>N</I>-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるケイ酸質試料中の鉄の溶媒抽出-吸光光度定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鉄(III)を<I>N</I>-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン(BPA)錯体としてベンゼンに抽出したのち吸光度を測定する抽出-吸光光度法について検討し,ケイ酸質試料中の少量ないし微量の鉄の定量方法を確立するとともに,鉄(III)-BPA錯体の抽出平衡についても若干の検討を行なった.<BR>錯体はpH2.0〜4.7<SUB>5</SUB>の間で定量的に抽出され,その吸収極大はベンゼン相中においても440mμに存在することがわかった。抽出された錯体は安定で,鉄濃度と吸光度との間には直線関係が成立し,モル吸光係数として5380±50の値が得られた.また錯体の抽出平衡についての検討結果より,錯体の組成は1:3(金属:試薬)であることが確認され,錯体の抽出平衡は<BR>Fe(OH)<SUP>2+</SUP>+3HB<SUB>A(org)</SUB>〓FeB<SUB>A3(org)</SUB>+2H<SUP>+</SUP>+H<SUB>2</SUB>O<BR>で表わされることを明らかにするとともに抽出平衡定数をも求めた.ここに確立した方法により,二,三の実際試料中の鉄を定量し,満足しうる結果が得られた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるセメント中の微量バナジウムの溶媒抽出-吸光光度定量 : セメント中の微量元素の定量(第5報)
- コバルト(II)-カルシクロム錯体生成を利用するコバルトの新吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第9報)
- 原子吸光光度法によるセメントおよび原料中のマンガンの定量 : 窯業製品および窯業原料の原子吸光分析(第5報)
- 1 セラミック原料の分析
- 2-(サリチリデンアミノ)安息香酸を用いる微量銅の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第9報)
- N,N-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランを用いる微量ニッケルの抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第5報)
- バナジウム(IVおよびV)-カルシクロム錯体およびバナジウム(IV)-カルシクロム錯体生成を利用するバナジウムの吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第10報)
- サリチリデン-ο-アミノフェノールを用いる微量銅の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第2報)
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるケイ酸質試料中の鉄の溶媒抽出-吸光光度定量
- 4 セメントの分析
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンによるケイ酸塩中のチタンの抽出-吸光光度定量
- ジアンチピリルメタンを用いるセメントおよび原料中のチタンの吸光光度定量法
- ニッケル(II)-カルシクロム錯体生成を利用するニッケルの新吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第8報)
- ジアンチピリルメタンを用いる鉄の吸光光度定量法
- ブロモ-イソキノリン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量臭化物イオンの間接吸光光度定量
- クロロ-ピリジン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量塩化物イオンの間接吸光光度定量
- α-ベンゾインオキシムを用いるニッケルの溶媒抽出-紫外吸光光度定量 : 高純度酸化ベリリウム中の微量ニッケルの定量への応用