クロロ-ピリジン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量塩化物イオンの間接吸光光度定量
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概要
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塩化物イオンがクロロ-ピリジン-水銀(II)錯体をつくることはすでに知られていたが,これがクロロホルムに抽出され,さらにジチゾンと配位子交換反応を行ない,ジチゾン-水銀(II)錯体となることを利用して微量塩化物イオンの間接吸光光度定量法を確立した.塩化物イオンはpH5.5〜6.1の範囲内でHgCl<SUB>2</SUB>py<SUB>2</SUB>の形でクロロホルムに抽出され,この錯体はHgCl<SUB>2</SUB>py<SUB>2(org)</SUB>+2H<SUB>2</SUB>Dz<SUB>(org)</SUB>〓Hg(HDz)<SUB>2(org)</SUB>+2pyHCI<SUB>(org)</SUB>の反応式に従ってジチゾン-水銀(II)錯体となり,波長490mμに吸収極大を有する.ジチゾンとの吸光度差が最も大きい波長500mμで吸光度を測定する場合,20μg程度までの塩化物イオンについては吸光度と塩化物イオン量との間に直線関係が成立する.本法においては大部分の陽イオンは妨害せず,陰イオンについては臭化物イオン,ヨウ化物イオン,チオシアン酸イオンおよびシアン化物イオンガ妨害する.なお,本法の場合におけるクロローピリジン-水銀(II)錯体の抽出機構およびジチゾンとの配位子交換反応についても明らかにした.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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