ジアンチピリルメタンを用いる鉄の吸光光度定量法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鉄(III)-ジアンチピリルメタン錯体生成を利用して吸光光度法により鉄を定量する目的で基礎的条件を検討して鉄の定量方法を確立し,セメント中の鉄の定量に応用した.<BR>鉄(III)-ジアンチピリルメタン錯体は微ないし弱酸性(最適酸性度:pH2.0〜3.5)で生成し,極大吸収は450mμに存在する.錯体生成は室温でただちに進行し,呈色はきわめて安定である.鉄濃度と吸光度との間には良好な直線関係が認められ,モル吸光係数は5400,感度(吸光度0.001に対する)は1.0×10<SUP>-2</SUP>μgFe/cm<SUP>2</SUP>であった.モリブデン,タングステン,鉛,過塩素酸塩,リン酸塩などは鉄の定量を妨害するが,そのほかのたいていの金属イオンは影響しないか,あるいは影響してもその影響は容易に除去することができる.セメント中の鉄を定量した結果,満足すべき結果が得られた.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるセメント中の微量バナジウムの溶媒抽出-吸光光度定量 : セメント中の微量元素の定量(第5報)
- コバルト(II)-カルシクロム錯体生成を利用するコバルトの新吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第9報)
- 原子吸光光度法によるセメントおよび原料中のマンガンの定量 : 窯業製品および窯業原料の原子吸光分析(第5報)
- 1 セラミック原料の分析
- N,N-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランを用いる微量ニッケルの抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第5報)
- バナジウム(IVおよびV)-カルシクロム錯体およびバナジウム(IV)-カルシクロム錯体生成を利用するバナジウムの吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第10報)
- サリチリデン-ο-アミノフェノールを用いる微量銅の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第2報)
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるケイ酸質試料中の鉄の溶媒抽出-吸光光度定量
- 4 セメントの分析
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンによるケイ酸塩中のチタンの抽出-吸光光度定量
- ジアンチピリルメタンを用いるセメントおよび原料中のチタンの吸光光度定量法
- ニッケル(II)-カルシクロム錯体生成を利用するニッケルの新吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第8報)
- ジアンチピリルメタンを用いる鉄の吸光光度定量法
- クロロ-ピリジン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量塩化物イオンの間接吸光光度定量
- α-ベンゾインオキシムを用いるニッケルの溶媒抽出-紫外吸光光度定量 : 高純度酸化ベリリウム中の微量ニッケルの定量への応用