バナジウム(IVおよびV)-カルシクロム錯体およびバナジウム(IV)-カルシクロム錯体生成を利用するバナジウムの吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第10報)
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概要
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バナジウム(IVおよびV)がカルシクロムと錯体を形成することを見いだし,これらの錯形成について吸光光度法により検討するとともに,このうちバナジウム(IV)錯体の生成を利用して微量バナジウムを定量するための基礎的な条件を検討し,バナジウムの新しい定量方法を確立した.<BR>バナジウム(IV)はpH約3〜7でカルシクロムと592mμに吸収極大を有する1:1錯体を,バナジウム(V)はpH約2以上で組成は1:1であるが,プロトン付加数が異なると推定される2種またはそれ以上の錯体を形成することがわかった.バナジウム(IV)錯体の生成を利用してバナジウムを定量する場合,バナジウム(IV)濃度と吸光度との間には良好な直線性が認められ,pH5.3,波長634mμにおける見かけのモル吸光係数は10000,感度は5.1×10<SUP>-3</SUP>μg V/cm<SUP>2</SUP>であった.銅(II),アルミニウム,チタン(IV),ジルコニウム(IV),鉄(IIおよびIII),ニッケル(II),クロム(VI),硝酸塩,クエン酸塩はバナジウムの定量を妨害した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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