2-(サリチリデンアミノ)安息香酸を用いる微量銅の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第9報)
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概要
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銅(II)がピリジンの存在下で2-(サリチリデンアミノ)安息香酸(以下SABAと略記)と銅(II)-SABA-py錯体(py:ピリジンを表わす)を形成し,この錯体はクロロホルム,ベンゼン,メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒に抽出されることがわかったので,微量銅の抽出吸光光度定量の観点から基礎的な諸条件を検討して定量方法を確立した.<BR>銅(II)-SABA-py錯体はpH5.4〜7.2でクロロホルムに定量的に抽出されて一定の吸光度を与え,その吸収曲線は波長402nmに極大を有し,抽出された錯体は安定であった.銅濃度と吸光度との間には良好な直線関係が認められ,波長402nmにおける見かけのモル吸光係数および吸光度0.001に対する感度はそれぞれ8.9×10<SUP>3</SUP>および7.1×10<SUP>-3</SUP>μg Cu/cm<SUP>2</SUP>であった.アルミニウム,クロム(III),バナジウム(IV),チタン(IV),酒石酸塩およびクエン酸塩は銅の定量を妨害するが,そのほかの通常のイオンは妨害しない.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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