<I>N</I>,<I>N</I>-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランを用いる微量亜鉛の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第8報)
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概要
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亜鉛(II)がピリジン,γ-ピコリン,イソキノリンのような窒素をドナー原子とする単座配位子の共存下で<I>N</I>,<I>N</I>-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフラン(以下SABFと略記)と3種混合錯体を形成すること,およびこれらの錯体がクロロホルム,ベンゼン,メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒に抽出されることを見いだし,特に亜鉛(II)-SABF-ピリジン錯体の生成ならびに抽出につき基礎的な検討を行なって微量亜鉛の定量方法を確立した.<BR>亜鉛(II)-SABF-ピリジン錯体はpH8.8〜9.8でクロロホルムに定量的に抽出されて一定の吸光度を与え,その吸収曲線は波長502および535mμに極大を有し,抽出された錯体は安定であった.亜鉛濃度と吸光度との間には良好な直線関係が認められ,波長535mμにおける見かけのモル吸光係数および吸光度0.001に対する感度はそれぞれ19200および3.4×10<SUP>-3</SUP>μg Zn/cm<SUP>2</SUP>であった.カドミウム(II),コバルト(II),銅(II),鉄(III),マンガン(II),ニッケル(II),クロム(III),チタン(IV),クエン酸塩は亜鉛の定量を妨害した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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