ブロモ-イソキノリン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量臭化物イオンの間接吸光光度定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
臭化物イオンが水銀(II)およびイソキノリンの共存下でプロモ-イソキノリン-水銀(II)錯体(HgBr<SUB>2</SUB>iq<SUB>2</SUB>;iq:イソキノリン)を形成してクロロホルムに抽出され,さらにクロロホルム中でこの錯体がジチゾンと配位子交換反応を行ない,ジチゾン-水銀(II)錯体を形成することを利用して,微量臭化物イオンの間接吸光光度定量法を確立した.この場合,プロモーイソキノリン-水銀(II)錯体の抽出率はpH5.4〜6.5の間で一定であり,最終的に形成されるジチゾン-水銀(II)錯体は波長492mμに吸収極大を有する.ジチゾンとの吸光度差が最も大きい波長498mμで吸光度を測定した場合,15μg程度までの臭化物イオンについては吸光度と臭化物イオン量との間に直線関係が成立する.本法においてはほとんどの陽イオンおよびフッ化物イオン,リン酸イオンなどは臭化物イオンに対してかなり多量に共存しても影響を及ぼさないが,塩化物イオン,ヨウ化物イオン,チオシアン酸イオンおよびシアン化物イオンは臭化物イオンの定量を妨害する.<BR>臭化物イオンがイソキノリンおよび水銀(II)の共存下でプロモ-イソキノリン-水銀(II)錯体を形成してクロロホルムに抽出され,この錯体がクロロホルム中でさらにジチゾンと配位子交換反応を行ない,ジチゾン-水銀(II)録体を形成することを利用して微量の臭化物イオンの吸光光度定量法を確立した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- 燃焼法による火成岩中の全硫黄の定量
- キシリジルブルー(II)による火成岩中のマグネシウムの吸光光度定量
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるセメント中の微量バナジウムの溶媒抽出-吸光光度定量 : セメント中の微量元素の定量(第5報)
- スズ-強リン酸による火成岩中の全イオウの定量
- 2-(サリチリデンアミノ)安息香酸を用いる微量銅の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第9報)
- ジアンチピリルメタンとその誘導体
- 2-(サリチリデンアミノ)チオフェノールを用いる微量亜鉛の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第7報)
- N,N-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランを用いる微量亜鉛の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第8報)
- N,N-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランを用いる微量ニッケルの抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第5報)
- バナジウム(IVおよびV)-カルシクロム錯体およびバナジウム(IV)-カルシクロム錯体生成を利用するバナジウムの吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第10報)
- サリチリデン-ο-アミノフェノールを用いる微量銅の抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第2報)
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるケイ酸質試料中の鉄の溶媒抽出-吸光光度定量
- N-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンによるケイ酸塩中のチタンの抽出-吸光光度定量
- グリオキザール・ビス(2-ヒドロキシアニル)による火成岩中のカルシウムの吸光光度定量
- 環境と化学 : 環境化学こと始め(人間生活における化学)
- ブリリアントグリーンを用いる微量水銀の抽出吸光光度定量
- 日本の温泉から湧出される物質
- ブロモ-イソキノリン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量臭化物イオンの間接吸光光度定量
- クロロ-ピリジン-水銀(II)錯体として抽出後,ジチゾンとの配位子交換反応を利用する微量塩化物イオンの間接吸光光度定量
- α-ベンゾインオキシムを用いるニッケルの溶媒抽出-紫外吸光光度定量 : 高純度酸化ベリリウム中の微量ニッケルの定量への応用
- 火山噴出物の量