<I>N</I>,<I>N</I>-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランを用いる微量ニッケルの抽出吸光光度定量 : シッフ塩基を用いる微量成分の定量(第5報)
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概要
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ニッケル(II)が<I>N</I>,<I>N</I>-ビス-サリチリデン-2,3-ジアミノベンゾフランと錯体を形成して有機溶媒に抽出されることを見いだし,錯体の生成ならびに抽出につき基礎的な検討を行なって微量ニッケルの定量方法を確立した.<BR>錯体はアルカリ性(pH7.7以上)で生成し,アンモニアの存在下ではクロロホルム,ベンゼンなどの有機溶媒に定量的に抽出される.錯体の吸収曲線はクロロホルム中では508および535mμに極大を有し,抽出された錯体は安定で,その組成は1:1であった.ニッケル濃度と吸光度との間にはベールの法則が成立し,波長535mμにおけるモル吸光係数および吸光度0.001に対する感度はそれぞれ12200および4.8×10<SUP>-3</SUP>μgNi/cm<SUP>2</SUP>であった.コバルト(II),銅(II),クロム(III),鉄(III),マンガン(II),亜鉛(II),酒石酸,クエン酸イオンなどはニッケルの定量を妨害した.若干の実験結果に基づき,錯体の構造をも提案した.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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