<I>N</I>-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミンを用いるセメント中の微量バナジウムの溶媒抽出-吸光光度定量 : セメント中の微量元素の定量(第5報)
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概要
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バナジウム(V)を塩酸酸性溶液中より<I>N</I>-ベンゾイルフェニルヒドロキシルアミン(BPA)によりベンゼン相へ抽出する場合に紫色の錯体が得られることを利用してセメント中の微量バナジウムの定量を行なうための各種条件の検討を行ない,定量方法を確立した.<BR>バナジウム(V)は塩酸濃度が2.8〜4.6<I>N</I>の範囲内でベンゼン相へ定量的に抽出され,抽出された錯体は530mμに吸収極大を有する.この錯体はバナジウム(V)が1に対し,BPAが2の組成を有し,バナジウム量と吸光度との間には直線関係が成立する(モル吸光係数:4500).<BR>本法によれば0.001%程度までのバナジウムの定量を行なうことができるが,実際の試料について定量を行なったところ,0.001〜0.005%のバナジウムが存在することが見いだされた.<BR>バナジウム(V)-BPA錯体が塩酸酸性溶液中よりベンゼン相に抽出され,紫色を呈することを利用してセメント中の微量バナジウムの定量についての検討を行ない,定量方法を確立した.<BR>本法によればセメント中の0.001%程度までのバナジウムを定量することができ,市販品中には0.001〜0.005%程度のバナジウムが存在することが見いだされた.<BR>なお,この研究は,小野田セメント株式会社中央研究所において行なったものである.
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