ニッケル(II)-カルシクロム錯体生成を利用するニッケルの新吸光光度定量法 : 吸光光度試薬としてのカルシクロムに関する研究(第8報)
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概要
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ニッケル(II)がカルシクロムと錯体を生成することを見いだし,この錯体生成を利用して微量のニッケルを吸光光度定量するための基礎的な条件を検討し,ニッケルの新しい定量方法を提案した.<BR>ニッケル(II)はカルシクロムとアルカリ性で2種の錯体を生成する.すなわち,pH約12以下では550mμに吸収極大を有する1:1錯体を,pH13付近では約585mμに吸収極大を有する1:2錯体を生成し,これらの錯体生成を利用してニッケルを定量する場合,ニッケル(II)濃度と吸光度との間には直線性が認められ,pH11.5,波長615mμおよびpH13.0,波長625mμで測定したときのモル吸光係数はそれぞれ約6900,15000,また感度はそれぞれ8.5×10<SUP>-3</SUP>,3.9×10<SUP>-3</SUP>μg Ni/cm<SUP>2</SUP>{log(<I>I</I><SUB>0</SUB>/<I>I</I>)=0.001}であった.カルシウム,マグネシウム,銅,コバルト,マンガン,鉄,アルミニウム,チタン,バナジウムなどはニッケルの定量を妨害する.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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