乳牛の心拍数,とくに固有心拍数の成長にともなう変化

概要

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ホルスタイン育成牛と成牛を用い,固有心拍数(intrinsic heart rate, IHR)と安静時心拍数(resting heart rate, RHR)の成長にともなう推移を調べ,さらに成牛を用い,これらの再現性を調べた.IHRはJOSE1)の方法に従い,アトロピンとプロプラノロールの同時投与後の心拍数とし,また,RHRは投与前の安静時の心拍数とした.IHRとRHRはともに成長にともない漸減した.体重(BW, kg)とIHRとの間には強い負の相関(IHR=234.6BW-0.1887, r=-0.94, P<0.001, n=32)が認められたが,体重とRHRの間では,変動が大きかった(RHR=185.1BW-0.1597, r=-0.64, P<0.001, n=32).また20〜30日間隔で実施した反復試験では,IHRの再現性はRHRに比べて著しく高いことがわかった.IHRは心拍数の基本的な生理値を示す指標の一つになりうるものと考えられた.
社団法人日本畜産学会の論文