ホルスタイン種乳牛群における飼料から乳及び体蓄積へのエネルギー流とその季節変動

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本研究では,実際に飼養されている泌乳牛群の給与飼料から乳及び体蓄積までのエネルギーの流れとその季節変動値を示し,それらの相互の相関および環境温度との関係を解析した。実際の飼養管理下にある泌乳牛の9年間の飼料給与量,乳量,乳脂率,体重のデータを栄養学の知見を基にした数学的手法で処理することにより,代謝エネルギー給与量,飼料由来の泌乳,体蓄積,熱発生のエネルギー(MJ/mbs/day)とそれらのための総効率(GEE)および泌乳のための代謝エネルギーの利用効率(kl)を算出した。これら求められた値間とそれらと月平均気温の関係を回帰分析により解析し,次のような結果を得た。(1)エネルギー収支のデータにはすべて季節変動がみられ,泌乳のための総効率は4,5月と9,10月に高い。(2)飼料由来の泌乳,体蓄積のための総効率の季節変動は各々GEE=28〜34,1〜9%の範囲にありその平均は31.4%であった。(3)算出された代謝エネルギーの利用効率はkl=58.57%を示した。(4)代謝エネルギー給与量は飼料由来の泌乳,熱発生量と正の相関を示したが,体蓄積エネルギーおよび全ての総効率とは相関を示さなかった。(5)環境温度は,飼料由来の泌乳と体蓄積のための総効率との間に,負の放物線上の関係を示した。以上の結果から,エネルギー収支とその効率には季節変動が存在し,乳生産向上のためには,泌乳への高い効率を示す時期の代謝エネルギー給与量の増加や,高温時期の泌乳効率の低下防止に対する防暑管理の重要性が示唆された。
岐阜大学の論文
1995-12-28

ホルスタイン種乳牛群における飼料から乳及び体蓄積へのエネルギー流とその季節変動

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