泌乳曲線モデルによる乳牛の泌乳エネルギーの動態の遺伝,産次,分娩季節間差異の解析

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本研究は泌乳牛のエネルギー動態の解析に必要な泌乳エネルギー曲線のパラメータ値を得ること及びそのパラメータ値に対する母家系,産次,分娩季節による影響を把握することを目的とし,東京大学附属牧場で飼養されたホルスタイン種乳牛66頭の経時的泌乳データをWoodの泌乳曲線モデルに当てはめた。Wood's model Y=a・t^b)・exp(-c・t) Y:泌乳エネルギー量 t:分娩後経過時間 a:泌乳レベルを決めるパラメータ, b,c:主に曲線の形を決めるパラメータ泌乳エネルギーは上式のパラメータ以外に式を変形して,泌乳最高時分娩後日数:tp(day),泌乳開始時泌乳エネルギー量:P(MJ/MBS・day),最高時泌乳エネルギー量:Ptp(MJ/MBS・day),泌乳期10ヵ月の平均泌乳エネルギー量:P(MJ/MBS・day)を算出した。これらの泌乳パラメータに対して母家系間および産次間,分娩季節間で比較した。結果は以下の通りであった。(1)泌乳パラメータの母家系間差は小さい。ただし,パラメータaはWilh elmina系が他系より高い値を示したのに対し,パラメータPtp,PではEmpress系が高い傾向を示した。(2)泌乳パラメータに対する産次の影響は強く,特に泌乳レベルに影響を及ぼす。(3)泌乳エネルギーの最高生産時以降の低下は暑熱ストレスの履歴現象を受ける可能性がある。(4)泌乳エネルギーのレベルには産次と分娩季節の交互作用による影響が存在する。以上のことより,泌乳牛のエネルギー収支の動態を検討するとき,乳エネルギー生産量の産次,分娩季節による差異は無視できないことが示唆された。
岐阜大学の論文
1993-12-25

泌乳曲線モデルによる乳牛の泌乳エネルギーの動態の遺伝,産次,分娩季節間差異の解析

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