山羊を用いた飼養試験および出納試験による蒸煮処理ブナと蒸煮処理コナラの栄養価評価

概要

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17kg/cm2で15分間蒸煮処理したブナとコナラの栄養価を,子山羊を用いた飼養試験と出納試験を実施して検討した.1) イタリアンライグラス(IRG)乾草を48%(飼料乾物中)含む飼料,2) 蒸煮処理ブナを45%含む飼料,および3)蒸煮処理コナラを47%含む飼料を給与する3処理区を設けた.日本在来種去勢雄山羊12頭(試験開始時,平均22週齢,平均体重11.0kg)を用い,1区あたり4頭ずつ割り当てて,飼養試験を実施した.飼料の給与は,どの山羊にも代謝体重あたり等量の制限給餌とした.飼養試験に引き続き,全糞尿採取による出納試験を実施した.その結果,飼養試験期間中の乾物摂取量,1日増体量および飼料要求率について,3区の間に有意な差は認められなかった.消化試験成績から,間接法で求めた可消化養分総量の含量(乾物中)は,IRG乾草が54%,蒸煮処理ブナが43%,蒸煮処理コナラが47%であった.以上の結果から,蒸煮処理ブナと蒸煮処理コナラは,反芻動物によってエネルギー源として利用され,蒸煮処理ブナは稲わら,蒸煮処理コナラは野草類に相当するエネルギー価を有すると判断された.
社団法人日本畜産学会の論文