国内で試作された緑葉タンパク質(LPC)の養鶏用飼料原料としての経済性評価
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概要
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成分分画によって牧草をより有効に利用する技術を確立する研究の一環として,牧草の搾汁液より得られた高タンパク質画分,緑葉タンパク質(LPC)の養鶏用飼料原料としての栄養価と経済性について検討した.国内で試作された5種類のLPCについて,その栄養価と経済性を1. タンパク質,2. 代謝エネルギー(ME),3. カロチノイド,4. 有効リンの面から評価した.飼料として実用化の目安となるLPCの市場流通可能価格を示す目的で,線形計画法によってLPCのシャドーコスト(陰の価格)を算出した.供試したLPCの粗タンパク質,ME,キサントフィル,カロチン,有効リン含量は平均しておのおの,47.8%, 2.76kcal/g, 1084ppm, 434ppm, 0.37%であった,LPCのアミノ酸組成は含硫アミノ酸が不足するが他のアミノ酸は養鶏用飼料としての条件を満足していた,実験データをもとに算出したLPCのシャドーコストは産卵鶏用,ブロイラー用飼料原料としておのおの,114円/kg,108円/kgであった.以上のことからLPCの実用化の目安として,110円/kg程度の市場流通価格を目標にすればよいと結論された.LPCの経済的価値は魚粉にほぼ匹敵して大豆粕より高いといえる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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