飼料イネ「ホシアオバ」ロールベールサイレージ給与泌乳牛の採食量, 消化率および乳生産

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ホールクロップサイレージ用に育成されたイネ品種「ホシアオバ」の乳牛用飼料としての利用性を, 泌乳牛を用いた消化試験で検討した。すなわち, 全飼料乾物中65%の濃厚飼料と, 「ホシアオバ」ロールベールサイレージあるいはチモシー乾草を35%給与する2つの区(「ホシアオバ」区および対照区)を設定し, それぞれの区にホルスタイン経産泌乳牛を2頭および3頭供試した。濃厚飼料は同じ構成のものを両区で用いた。その結果, 「ホシアオバ」サイレージおよびチモシー乾草の成分含有割合は, 粗蛋白質が6.7%および8.2%, NCWFE画分が23.2%および17.3%, 総繊維が55.0%および67.3%であった。「ホシアオバ」サイレージの乾物摂取量(46.5g/kg代謝体重/日)は, チモシー乾草のそれ(60.4g/kg代謝体重/日)に比べて低い傾向にあった(P<0.10)。「ホシアオバ」区の総繊維の消化率は, 対照区に比べて有意に低かった(P<0.05)。「ホシアオバ」区の摂取総エネルギーに対する尿エネルギー量の割合は対照区に比べて低い傾向(P<0.10)を示し, メタンエネルギー量および熱発生量の割合では「ホシアオバ」区が高く, 有意差(P<0.05)および傾向(P<0.10)が認められた。4%乳脂補正乳量は「ホシアオバ」区(32.5kg/日)と対照区(31.4kg/日)の間に有意な差は認められなかった。「ホシアオバ」サイレージはチモシー乾草に比べて, 総繊維含量が少ないにもかかわらず, 「ホシアオバ」区の粗飼料価指数は対照区のそれに比べて同程度であった。「ホシアオバ」サイレージのもみ全体および丸もみの糞への排出率は平均でそれぞれ30.2%および22.7%を示した。以上の結果から, 「ホシアオバ」サイレージはチモシー乾草に比べて, 乾物摂取量が低く, 繊維の消化率が低く, またもみ全体の排出率が3割程度あることが明らかとなった。「ホシアオバ」サイレージの飼料的価値を高めるには, 乾物摂取量およびもみの利用性を向上させる必要があることが示唆された。
日本草地学会の論文
2005-04-15

飼料イネ「ホシアオバ」ロールベールサイレージ給与泌乳牛の採食量, 消化率および乳生産

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